一瞬、本当の蜘蛛が止まっているように錯覚してしまいそうな今回の作品。
蜘蛛のリアルさも然ることながら、その存在を裏付ける影の配置が見事である。
蜘蛛の足から伸びる影と、胴体部分の影・・・
光の当たる方向が計算され、それに合わせて蜘蛛の丸みに繊細な濃淡が施されている。
しかしながら、やはり見事と感じざるを得ないのは『蜘蛛の影』だろう。
この影がなければ、ここまでリアルな蜘蛛は表現できないと思う。
デザインをあげる時点で、祐は頭の中で何度も影をイメージしたと言う。
このデザインが体に入るまではあまり実感のなさそうなお客様も、
完成したTATTOOをみて不思議そうに
『実際肌に入ると、こうも違った印象にみえるんですね』
と言っていた。
平面でみるデザインと、実際肌に入れたTATTOOの違いは『体の丸み』を生かしているからである。
デザインの段階で、入れる箇所とデザインのバランスを考え描き上げている祐ならではの作品といえるだろう。